この記事でわかること
- 面接で評価を下げる「NGワード3選」とその理由
- 各NGワードの正しい言い換え方・伝え方のコツ
- 面接官の視点から見た「好印象を与える答え方」の考え方
転職面接では、やる気を示しているつもりの言葉が、思わぬ形で評価を下げてしまうことがあります。「熱意を伝えよう」「正直に話そう」と思って選んだ言葉が、面接官の目にはまったく違う印象で映ることがあるからです。今回はキャリアのプロ・エンジェルと転職活動中の面怒苦才の対談を通じて、面接で絶対に避けるべきNGワード3つとその背景を解説します。
NGワード① 「なんでもします」
面怒苦才: エンジェルさん、やる気を見せるために「なんでもします!」って言うのは熱意の表れじゃないんですか? むしろ好印象だと思っていました。
エンジェル: 気持ちはわかりますが、それは逆効果です。「なんでもやります」と言う人に限って、具体的に何をするかが見えていないことが多いものです。
面怒苦才: でも「なんでもやるくらいの気持ちで臨む」という姿勢を伝えたいんです。
エンジェル: 企業が知りたいのは「気持ち」よりも「何ができるか・何をやるか」です。たとえば、お腹が空いているときに欲しいのは食べ物であって、消しゴムのカスではないですよね。企業も同じで、採用した職種を通じて売上や事業に貢献してもらうことを期待しています。「なんでもします」では、その期待に応えられるかどうかが伝わりません。
面怒苦才: 確かに「なんでもします」と言って、掃除だけ頑張られても企業としては困りますね。
エンジェル: そういうことです。「なんでもします」ではなく、「〇〇(具体的な職種・スキル・業務)を通じて貢献したいと考えています」という言い方に変えましょう。具体性がある言葉ほど、面接官に刺さります。
エンジェルのお墨付きポイント
「なんでもします」は熱意ではなく、準備不足に映ります。応募職種に紐づいた具体的な貢献イメージを語ることが、面接官の信頼を得る近道です。
NGワード② 「裁量権が欲しい」
面怒苦才: 「裁量権が欲しい」って転職理由でよく聞きますし、企業側も「うちは裁量権があります」ってアピールしていますよね。なぜNGなんですか?
エンジェル: 「裁量権が欲しい」という言葉自体が悪いわけではありません。問題は、面接官によって受け取り方が大きく変わることです。
面怒苦才: どんなふうに受け取られるんですか?
エンジェル: 2つのパターンがあります。一つは「主体的に仕事を進めたい意欲がある人だ」とポジティブに受け取るパターン。もう一つは「指示を受けたくない、指摘されたくないだけなのでは?」とネガティブに解釈するパターンです。後者の印象を持たれるケースの方が多いと考えておいた方がよいでしょう。
面怒苦才: えっ、そんなふうに思われるんですか。どうして?
エンジェル: 「裁量権が欲しい」と言う人に「具体的にどういう状態を指しますか?」と聞くと、「誰かに指示されず、自分の判断で仕事を進められること」と答える方が多いんです。それは一見すると自立性の表れですが、「チームや上司との協力関係を避けたい」と聞こえることがあります。
面怒苦才: 確かに、自分も「自分で判断して自由に動きたい」というイメージで使っていました。
エンジェル: 裁量権を求める動機を、もう一段具体的に言語化しましょう。「前職では提案から実行まで一貫して携われる機会が少なかったため、企画立案から実装まで主体的に関われる環境を求めています」のように、「何をしたいのか・なぜそうしたいのか」をセットで伝えると好印象になります。
エンジェルのお墨付きポイント
「裁量権が欲しい」は使い方次第で諸刃の剣になります。なぜ裁量権が必要なのか、どんな仕事をしたいのかを具体的にセットで語ることが重要です。
NGワード③ 「今の仕事はやり切りました」
面怒苦才: これはポジティブな理由に聞こえますけど、なぜNGなんですか?
エンジェル: この表現を使う人は、かなり注意が必要です。率直に言うと、「やり切った」と言える人は本当に少数で、多くの場合やり切っていないことが多いものです。
面怒苦才: きつい言い方ですね。でも実際に頑張ったからこそ言えるんじゃないですか?
エンジェル: では少し想像してみましょう。部活で1年目の部員が「もうやり切ったのでやめます」と言ってきたら、どう思いますか?
面怒苦才: そりゃ、まだできることがたくさんあるんじゃないかと思います。1年でわかることには限界がありますよ。
エンジェル: 仕事も同じです。社会人歴や在籍年数に関係なく、「やり切った」と言い切れる仕事はそう多くありません。本当にやり切っていれば、「次に何ができるか・何が課題か」が具体的に見えているはずです。「やり切りました」という言葉に具体性がないと、面接官には「綺麗な転職理由を探しているだけ」に見えてしまいます。
面怒苦才: でも、期間が短くてもやり切れることはあるんじゃないですか?
エンジェル: それはそうです。ただし、「やり切った」かどうかは自分の感覚ではなく、面接官にどう見えるかで決まります。面接はあくまで相手に評価される場。突っ込まれやすい抽象的な言い方は避けた方が賢明です。
面怒苦才: じゃあ、どう言い換えればいいんですか?
エンジェル: 「〇〇という業務に取り組み、△△という成果を出しました。その経験を踏まえ、次は□□に挑戦したいと考えています」というように、具体的な成果と次のステップを紐づけて話しましょう。そうすることで、「やり切った」という主観的な表現に頼らなくても、前向きな転職理由として説得力を持たせることができます。
エンジェルのお墨付きポイント
「やり切りました」は面接官に「本当に?」と思われやすい表現です。具体的な成果と次のチャレンジをセットで語ることで、説得力のある転職理由になります。
NGワードを避けるための言い換えまとめ
- 「なんでもします」→「〇〇(具体的な職種・スキル)で貢献したいと考えています」
- 「裁量権が欲しい」→「〇〇を主体的に進められる環境で、△△に取り組みたいです」
- 「やり切りました」→「〇〇という成果を出し、次は△△に挑戦したいと思っています」
面接NGワードに共通する「落ちる理由」
面怒苦才: 3つのNGワードに何か共通点はありますか?
エンジェル: ありますよ。どれも「自分の感情・感覚」を主語にした言葉だという点です。「なんでもします」は自分のやる気、「裁量権が欲しい」は自分の働き方の好み、「やり切りました」は自分の満足感。いずれも企業視点・相手視点が欠けています。
面怒苦才: 面接って自己アピールの場だと思っていたので、自分のことを話すのは当然じゃないですか?
エンジェル: 自分のことを話すのはもちろん必要です。ただし、「自分がこうしたい」だけで終わるのではなく、「自分がこうすることで、企業にこういう価値を提供できる」という視点がセットで必要なんです。面接は評価される場ですから、常に「相手にどう映るか」を意識することが大切です。
面怒苦才: 「相手視点で自己PR」ということですね。
エンジェル: そうです。面接での言葉は、「自分が言いたいこと」ではなく、「相手が聞きたいこと・聞いて納得できること」に合わせていく必要があります。NGワードを避けることは、その第一歩です。
今日からのお墨付きチェックリスト
- 「なんでもします」を使いそうになったら、「具体的に何をするか」を言語化し直す
- 「裁量権が欲しい」と言いたい場合は、なぜ必要なのかを一段深掘りしてから使う
- 「やり切りました」という表現を、具体的な成果+次の目標に言い換える練習をする
- 転職理由・志望動機を「自分視点」と「企業視点」の両面から見直す
- 模擬面接や声に出す練習で、自分の言葉が相手にどう聞こえるかを確認する
